合宿初日
朝9時。パールイズミ清水さん、アンバサダーの大西さん家族と北川さん、そしてOn Japanから駒田夫妻、PI TRIメンバーの棟さんと前田さんと、専属カメラマンとも言えるほどお世話になっている古谷さんが山梨県西湖のほとりにある駐車場に到着した。軽く会話をし、まずはバイク練習からスタートのため早速準備に入る。ウエアは全員がパールイズミの新作バイクジャージを着用。思いの外気温が低く、今にも雨が降り出しそうな天候だったため、リリースされたばかりのPGL season4のウィンドジャケットやベストが活躍した。
周回約10kmの西湖を2周してから、河口湖まで足を伸ばすというコースレイアウト。青々と色付く新緑に挟まれた林道を抜けると、目の前に広大な美しい湖が現れる。都会の喧騒から離れ、自然の中で身体を動かせる楽しさに、メンバー全員心が躍っていたに違いない。6名の集団を引くのは基本的にアンバサダー二人だが、不意にアタックを仕掛けてくる駒田さんも積極的なライドを魅せてくれる。棟さんに関して言えば、UTMFというハードコアなトレイルレースを終えたその足で合宿に参加してくれている。確実に疲労が溜まっている身体ではあるものの、佐渡に向けてトレーニングに意欲的だ。
50kmほど走ったところで、地元民からも観光客からも愛されるパン屋さんへ。湖のほとりで美味しいパンに舌鼓を打ち、チェックインのために宿へ。一度荷物を置き、さらにバイクライドへ行くチームと、シャワーを浴びて昼寝をするチームに分かれた。夕方に再集合し、全員で撮影を兼ねたランニングへ。古谷さんからフォトジェニックなシーンを依頼された我々は、なぜか坂ダッシュをチョイスした。「もっと躍動感が欲しいです!」というオーダーに応えるべく、奇声を発しながらダッシュをしてスピードを上げた。数カ所での撮影を終えたメンバーは、テンションを切り替えて真面目にランニングをし、この日のトレーニングは終了した。
「もっと躍動感を!」とのカメラマンの要望に応えるべく…
何度も坂ダッシュを繰り返す
トレイルまで走る
ディナーは宿泊先の宿でご用意いただいた和食のメニュー。栄養バランスの取れた品数の多い献立は、トレーニングで疲れた身体に嬉しい。たわいもない会話で談笑しながら、部屋飲みをするメンバー。もちろん明日も朝からトレーニングではあるが、雨予報のため油断しているのかもしれない。
合宿二日目
目を覚ますと案の定強めの雨が降っている。分厚い雲がかかり、富士山ものぞめない。止みそうにない雨と肌寒さにひるむことなく、ランニングを決行。なぜならば、用意周到な我々はOnのウォータープルーフシューズを持参していたから。雨でも足元が濡れないと快適に走れるもの。宿を出て、裏の林道から西湖を一周する10kmのコースをそれぞれのペースで走る。さらに雨対策で近隣のプール情報も入手済み。ランニングの後はみんなでスイムをし、PI TRIマネージャー尚子さんによるリカバリーヨガを楽しんだ。
そして、この日は元号は平成から令和に変わる日。みんなで新元号を迎えるべく、まずは食事に出かけた。しかし、世はゴールデンウィーク。目当てのお店はアテが外れ、他のお店も混んでいる。地元の名店は諦め、チェーン店のバーミヤンに滑り込みんだ。ランとスイムで負荷をかけ、冷えた体を湯船にゆっくり浸かってヨガでほぐせば、まるで宙に浮いたようなふわふわの感覚で気持ちが良くなる。夢心地でみんなで食べる食事はたとえチェーン店でもすこぶるおいしい。
お腹が満たされ、みんなで令和へのカウンドダウンをしようと宿へ戻っている途中に、奇跡が起きた。真っ暗な山道を移動する最中、野生の鹿が現れたのだ。車のライトに照らされた3匹の鹿たちは、車に慣れているのか目の前をゆっくりと横切っていく。思いがけずナイトサファリを体験でき、童心にかえって興奮した。部屋に戻り、テレビ番組が大晦日のような雰囲気を醸し出す。令和になった瞬間にみんなで乾杯し、ケーキを食べて二日目が終了。明日は最終日で朝からバイクに乗る予定。
合宿最終日
3日目はこれまでの天気が嘘かのように青空が広がっていた。2時間ほどバイクに乗る時間があったので、各々のペースでバイクに出かける。一ヶ月後にレースを控えた北川さんと、宮古島を終えたばかりの駒田さんはレースペースで巡航し、合宿最後のトレーニングパートを追い込む。それ以外のメンバーはマイペースでバイクを楽しんだ。
こうして二泊三日のゆる合宿が幕を閉じた。PI TRIを結成して3年目。それぞれの家族とも親交を深め、このコミュニティが一つの大家族のようになっている。大人になり、人生においてトライアスロンを通じて帰属性の高いコミュニティを持てることの喜びは、きっとこの記事を読んでくださっている皆さんにも共感していただけると思う。個々のトライアスロンへの関わり方を尊重するコミュニティであるがゆえ、すべてのレベルの人が居心地よく過ごせる。そして、一緒にトレーニングをしているからこそ、同じレースに出た時の応援に力が入る。
次回このメンバーで集結するのは佐渡トライアスロン。我々もレースに対して真剣に取り組みながら、共に出場される選手の皆さんの奮闘を応援したい。